最近、釣りばかりしている。
養蜂の仕事が一段落して、いまはいわゆる農閑期なので自由にできる時間がたくさんある。
なので、釣りの誘惑に負けてしまい、ついつい足が海に向いてしまうのだ。
朝、夕は砂浜に行ってヒラメを狙い、昼間は仕事を早めに切り上げ、堤防にあるテトラで根魚狙いの穴釣り。
ホントに釣り三昧の毎日なのである。
釣りキチ少年だった
ふと、小さいころ、釣りに夢中だったことを思い出した。
そう、ボクは釣りキチ少年だったのだ。
愛読書は、もちろん「釣りキチ三平」。
日本各地で、大人顔負けの釣りをする三平の活躍をワクワクしながら読んだものだ。
ヘラブナ釣りにハマった
小学、中学生時代は自転車や電車に乗って、川、池、沼、湖に、友達と一緒に釣りに行った。
対象魚は、クチボソ、ハヤ、コイ、タナゴ、ヘラブナ、オイカワ、ヤマメ、イワナなどなどのいわゆる淡水魚。
そのなかで、ヘラブナ釣りには、特にハマった。
釣りの格言で「ヘラブナに始まり、ヘラブナに終わる」というのがある。
いろいろな釣りがあるが、最後は結局ヘラブナ釣りに戻ってくるということをあらわしていて、それだけ奥が深い釣りなのである。
中学生のころは、家から自転車で1時間くらいかけて、ヘラブナが釣れる沼へ休みのたんびに出かけて、朝から日が暮れるまで、一日中ヘラ竿を振っていた。
魚がエサをくわえたときにウキが沈んで行く様子を、今でも鮮明に思い浮かべることができる。
ウキが「スッ」と沈んだときに、竿を「シュッ」と持ち上げ合わせると、竿先が「ギュィーン」と曲がる瞬間が堪らない。
好きなことをして生きる
これからの時代は「好きなことを仕事にするのが成功の秘訣」と良く言われる。
一体ボクは、本当は何が好きなのだろう。
料理、サーフィン、畑仕事、散歩・・・。
そうだ、子供のころにあんなに好きだった釣りを忘れていた。
そう、ボクはホントに好きなことを、やっと思い出したのかもしれない。
東京から南房総に移住してきて20年近くになるが、キス釣りやアジのカゴ釣りを少しやったくらいで、釣りに対してあまり興味が沸かなかった。
なぜなら「エサ代や釣りをする時間を考えると、店で魚を買ったほうが安上がりじゃん」とずっと思っていたのだ。
でも、釣りをすること自体が、突然楽しくなってきた。
明日は、あそこに行って釣りをしようと思うとワクワクしてくる。
面白いことに、朝まだ暗いうちに目がパチッと覚める。
そして、布団の中で、早く明るくならないかなと思いながら、そのときを待つ。
少年時代のあのワクワク感が戻ってきた。