トマト缶って、スーパーで100円くらいで売られている。
その安い理由などはまったく知らず、「庶民の味方だな」とボクは能天気に考えていた。
トマトの旬である夏は、安く売っているので生のものを買う。
でも、夏以外のトマトが高値のときは、カレーやパスタなどのトマトを使う料理を作るのに、安いトマト缶を利用することが多かった。
だが、トマト缶について怖いことが書かれている本を読んでからは、もう安く売っているトマト缶は買えなくなってしまった。
トマト缶ができるまで
買ってきたトマト缶の裏ラベルを見ると、イタリア産と書かれているものが多い。
しかし、これはただ単にイタリアで加工されたということだけなのだ。
使われているトマトは、中国ウイグル自治区に点在する何千という畑から収穫されて濃縮加工される。
そして、濃縮加工されドラム缶に入れられたものは、世界80カ国に輸出される。
トマト畑で働く少年少女
畑で働いている労働者のなかには、大人だけではなく少年少女の姿もたくさん見られる。
働くには幼すぎる子どもたちは、地面の上で遊び、農薬の白い筋が残っているトマトを口に入れて食べてしまう。
・・・怖すぎる。
炎天下での過酷な作業を朝から晩まで続けて、1人24ユーロしかもらえない。
日本円に直すと、およそ2800円だ。
ボクたちがスーパーで買う安いトマト缶は、こういった低賃金で働かされている労働者が作ったものからできているのだ。
低賃金で過酷な労働をしている人たちがいるということは、うすうす分かっているのだが、安くて便利なものは、ついつい買ってしまう。
遠くで起きていることだからと、目や耳をふさいで考えないようにしてしまう。
ホントは、いけないよな。
トマト31%に添加物69%のトマト缶
パリで開かれた国際食品見本市に出展しているトマト缶メーカー15社に筆者が質問したところ、添加物を加えていない100%濃縮トマトだけを詰めたものは皆無だった。
濃縮トマトの割合は50%以下がほとんどで、トマト31%に添加物69%というものまであったそうだ。
原材料には、「トマトと塩」としか書かれていないのに。
酸化して腐った濃縮トマトは、赤い色ではなく黒くなっているので「ブラックインク」と呼ばれている。
そんなものは、破棄するでしょと普通は思うところだが、いやいやそうではない。
科学者が、魔法のような技術をつかって、トマト缶を作ってしまうのだ。
その割合が、濃縮トマト31%、添加物69%なのである。
イタリアで出版停止
「トマト缶の黒い真実」は、多くの新聞、雑誌が書評を掲載し、著者にもメディア出演の依頼が殺到し、ベストセラーになった。
しかし、トマト缶の真実をあばいたこの本は、イタリアでは出版禁止になったそうである。
そうだよね、中国産の濃縮トマトを缶詰に詰めただけで、イタリア産として販売しているんだから、ホントのことが知られると困るよね。
でも、ちゃんと認めてくれる国もあった。
フランスでもっとも権威あるジャーナリズム賞である「アルベール・ロンドル賞」を受賞したのだ。
フランス、やるね。
まとめ
この本を読んでからは、スーパーでトマト缶を買うことはなくなった。
最近凝っているインドカレー料理も、生のトマトを買って料理している。
あ、安く出回っている夏に、自分でトマトをビン詰めして保存すればいいよね。
ホントは、自分でトマトを作りたいけど、トマトって結構むずかしいんだよね。
特に大きなトマトはね。
今年は、瓶詰やってみようかな。