「ドンッ、グイグイ」と竿先がいきなり弧を描いた。
「ああ、また根がかりか?」と一瞬暗い気持ちになったのだが、竿先がグイグイ引き込まれるので、どうやら魚が掛かったみたいだ。
釣りを開始して最初の一投目だったので、まさか釣れるとは思っていなかったから、ちょっと焦った。
「おいおい、まだ心の準備ができていないよ」
そんなことを思い、またドキドキしながら、寄せてくる波を利用して慎重に魚を砂浜にずりあげると、52cmの大きなヒラメだった。
ワオ、サイズ記録、更新だ!
青物、ヒラメが爆釣しているのを目撃
さて、冒頭のヒラメが釣れた3日前の土曜日早朝にさかのぼる。
犬の散歩で、いつもサーフィンしている砂浜に行ったら、アングラーが15人くらいいて、なんだかすごい活気がある様子が伝わってくる。
どうやら、みんな爆釣モードに入っているようだ。
近くに行ってみると、釣り上げられたイナダ、シーバスが無造作に砂浜に並べてあった。
ほかにも、砂浜のあちこちに獲物を入れたビニール袋が置いてある。
スゴイ、こんな光景は初めて見る。
爆釣の連絡を受けたのであろうバイクで駆けつけた地元のひとは、ルアーを投げるたびに魚を釣り上げていたのにはビックリした。
さすが、地元のベテラン釣り師だ。
家に戻り、釣りの支度をしようかと思ったけど、時合いが終わってしまうかもしれないので、翌朝に来ることにした。
さて、翌日、日曜日の朝。
起きると雨が降っているので、残念だが釣りはあきらめた。
でも、雨のなかでも釣りキチはいるんじゃないかと思い、傘を持って昨日の砂浜へ車を走らせた。
すると、いるいる、10人以上の釣りキチが海に向かってルアーを投げている。
みんな、好きだなぁー。
しばらく見ていると、5,6匹くらいの獲物を入れたビニール袋を下げてひとりの男性が歩いてきた。
「おはようございます、大漁ですね」と挨拶。
そのひとに使用しているルアーを聞いてみたら、モモルアーのシンキングミノーだと教えてくれた。
聞いたことのないルアーだけど、アマゾンで検索すると出てくるそうだ。
どうやらこれはジャクソンのGコントロールというルアーのコピーらしくて、本家の半額くらいの金額で売られている。
家に帰り、早速アマゾンで5本セットを買ってみた。
翌日、月曜日の早朝、昨日おとといと爆釣していた砂浜へバイクで釣りに出かけた。
釣りをしていると、昨日挨拶をしたひとが釣りを終えて帰るところなので、釣りを中断して挨拶に行った。
今日もそのひとはヒラメ3枚、イナダ1匹を釣り上げていた。
やっぱり、凄腕アングラーだな。
別れ際、いままさにヒラメ3枚を釣り上げたルアーをくれると言うではないか!
なんと太っ腹なこと、ボクは遠慮せずにありがたくいただいた。
そして、そのひとが釣っていた場所でそのルアーを投げる。
だが、3投目で根がかり、あぁ。
後ろ髪を引かれながら、その日は納竿。
1時間弱でヒラメを3枚釣る
その日の午後、アマゾンから注文していたルアーが届いた。
そして、次の日の早朝に、届いたルアーを持ってバイクで砂浜へ。
アングラーが並んでいるが、昨日最後に入った場所が1人分だけスペースが空いている。
ラッキー。
釣りの準備をしていると、いつも来ている地元のひとがボクの隣にバイクを止めた。
たぶん、そのひとは1人分だけ空いているスペースに入りたいんだろうと思って、ボクはいちばん端っこのところで釣りをすることにした。
準備を終えた彼は、案の定そのスペースに歩いていった。
ボクは気を取り直して、そしてあまり期待しないで、竿をブルンと振ってルアーを投げた。
リールをシャカシャカとタダ巻きで引いてくる。
すると、冒頭のシーンなのである。
全然期待していなかったのに、いきなり釣れてしまった。
持ってきたビニール袋に海水を入れて、釣り上げたヒラメを生かしたまま放り込んで袋の口を縛り、後ろの砂浜へ置いておく。
振り返ると、爆釣スペースに入っていた彼がボクの右隣10mくらいのところに移動してきていた。
おいおい、せっかく場所を譲ったのにー。
あんまり近くに来ると、糸が絡むじゃないか。
トラブルがイヤなので、すこし左のほうへ移動して釣りを開始。
すると、「ドンッ」とまたまたヒット。
こんどは、48cmのヒラメだった。
後方へ置いたビニール袋にヒラメを入れる。
20分くらいルアーを投げ続けると、またまたヒラメが釣れてしまった。
今度は、42cmとサイズが小さい。
ベイトが岸近くまで寄って来ているので、それを狙ってヒラメも来ているようだった。
釣りは運だな
1時間弱で、まあまあ型の良い3匹のヒラメが釣れてしまった。
まさに「釣れてしまった」というのが正直なところである。
ボクの周りのベテランアングラーは、ほとんど釣れていなかったのに。
「釣りは、運だな」とそのとき強く確信した。
魚がいるところにルアーを投げれば、ボクみたいな初心者でも釣れるということだ。
魚がいないところにルアーを投げて、いくら華麗なテクニックを駆使しても釣れない。
魚がいそうなところを見つけるのが、釣果をあげるいちばん重要なポイントだね。
ま、それが難しいんだけどね。
食べる
1匹は友達にあげて、残りの2匹はいろんな料理で楽しんだ。