畑仕事 読書感想

マル農のひと 道法正徳の垂直仕立て栽培

東京から田舎に移住してから20年くらいのあいだ畑をやってきた。

福岡正信さんの「自然農法」、川口由一さんの「自然農」、木村秋則さんの「自然栽培」、永田農法、慣行農法等々といろいろな農法を試してみた。

それで分かったことというか結果として、無農薬、無肥料でも野菜はできるけど、収量は少なく、味は良いけど小さなものが多いということだった。

でも例外はあって、マメ科の野菜はいつも豊作だった。

まあ、ボクの場合はなるべく労力をかけない放任栽培、言ってみれば「ぐうたら農法」というものだから、肥料をあげる農法に比べると収量が少なくなるのは仕方がないことだと思っていた。

しかし、野菜、果樹を支柱に縛るだけで、無農薬・無肥料で、しかも収量も多くておいしいものができるという、そんな夢のような栽培方法があるらしい。

それは、「垂直仕立て栽培」というものである。

その農法を考えつくまでの道のりを書いた本があったので、早速ダウンロードしてキンドルで読んでみた。

マル農のひと

「マル農のひと」は、著者の金井真紀さんが道法正徳さんにインタビューしてまとめた本である。

道法正徳さんは元JAの栽培指導員で、「垂直仕立て栽培」を考えたひとである。

この本がスゴく面白く、ひさびさに農業関係の本で夢中になり、ワクワクして読んだ。

もう、読んでいるときから早く「垂直仕立て栽培」で野菜や果樹を育ててみたいとウズウズしていた。

植物ホルモン

「マル農のひと」には、無農薬、無肥料で育つ理由が科学的にちゃんと説明されている。こんな農業書は、初めてだ。

いままで読んだ自然農関係の本では、無農薬・無肥料で育つ科学的な理由は書かれていなく、神秘的な、あるいは宗教的ななにかにより作物が育つような感じだった。

作物が育つには、植物ホルモンが関係しているということだ。

発根をうながす「オーキシン」、若返りのホルモン「サイトカイニン」、病害虫をおさえる「エチレン」、生長をうながす「ジベレリン」の4つの植物ホルモンのはたらきで作物は育つ。

それぞれの植物ホルモンと作物の関係が分かりやすく書いてあるのが、画期的だった。

石ころがあったほうが良い

畑には、石ころがあったほうがおいしい野菜や果物ができるという。

根っこが石ころに当たることにより、食物ホルモンであるエチレンが根からたくさん出るようになり、作物がおいしくなるのである。

いままで、石を見つけるたびに畑の外に出していたのだけど、道法さんは逆に石を畑の中に入れろと言うのにはビックリだ。

土に対して石4割くらいがちょうど良いというのだから、かなりの石の量である。

まとめ

さっそく、イチジク、ブルーベリー、はるみを種苗店で購入して庭に植えてみた。

今年は、畑も「垂直仕立て栽培」で、やる予定。

もっと、詳しく学びたいので道法さんが出している2冊の本も購入した。

右側のミカンつくりの本は、川田建次というペンネームで出版している。

まだ農協に勤めていたので、無農薬・無肥料の栽培本だと、農薬・肥料が売れなくなるのでマズイということなのである。

また、ユーチューブで道法さん関連のものを見て勉強している。

垂直仕立て栽培をして、無農薬・無肥料のおいしい作物ができるのなら、これは画期的な農法だ。

ことしは、久しぶりに野菜をつくることが楽しみになっている。

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